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Omegaverse, alpha/beta/omega dynamicsについて

誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいOmegaverse (omega verse / オメガヴァース)のすべてについて教えましょう…byオギ。
というか英語OKな方は、以下のリンクを見るといいんじゃないでしょうか。

・設定が生まれた背景など、一般的なことについて→fanlore

・Omegaverseで頻繁に登場する設定や用語について→Alphas, Betas, Omegas: A Primer
実に詳細な説明ですので参考になるかと。

Omegaverseは(1)「スーパーナチュラル」のファンダムから生まれた、という説と(2)いやそれよりずっと以前からあった、という説があります。小説や映画などからインスパイアされたものではなく、ファンの間から生まれたまったくオリジナルな発想なのですが、ユニークな設定にひかれた書き手たちが色々なファンダムで作品を作り出すようになり、今ではAUの中での一大ジャンルとして確立されたといっていいと思います。
ただし、作品中には9割がた(←私の脳内調査によれば)露骨な性行為の描写が存在し、かつ、男性が妊娠するという突飛な設定ゆえに、嫌悪する人も少なくありません。

以下は、omegaverseで「よく見かける設定」などを、私の適当な感想も含めて、大まかにご説明いたします。ただし、omegaverseにはそもそも確固たる根拠(原典、原作)は存在しないために、書き手の書きたいようにいかにようにも設定は変わります。書き手の数だけ設定が存在する…と考えても間違いではないので、あくまでこれは「超ベーシックな設定」とお考えいただけると幸いです。

「Omegaverse, Alpha/Beta/Omega dynamics, A/B/O dynamicsについて」。
以下冗長になりますがお許しください。

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このOmegaverseでは、人間の性に、雄・雌とは別に、alpha-beta-omegaという三つの性も存在します。人間はalpha(雄、雌)、beta(雄、雌)、omega(雄、雌)という、合計6つの性に分かれることになるわけです。彼らは互いの性別をフェロモン(scent)で本能的に嗅ぎ分けることができます。だいたい10代前半~後半で自分がA,O,Bいずれかが判明し(present)、その際、それぞれに自分たちの性のあり方や役割について教育を受けることになります。

*最も多いのは、主人公二人がalphaとomegaの組み合わせであるパターンです。もちろんそれ以外の設定で面白い作品もたくさんありますが、ここではとりあえずalpha(male)とomega(male)のスラッシュを読む際の基本知識をお知らせいたします。

ベータ(Beta)
人口の大多数を占める。雄も雌も一般的な男女と変わらない。

オメガ(Omega)
人口に占める割合はごく少数であり、場合によっては絶滅危惧種気味に重宝される。身体的特徴としては、小柄でやさしい顔立ち、体力・知性的にはalpha、betaにかなり劣る(と思われているが、実際にはそうではない)。
omega maleは直腸の奥に女性でいえば子宮にあたる生殖器を有しているため、発情期にalpha male(もしくはbeta male)と性交した場合、女性と同様に妊娠する。イメージとしては鳥類や爬虫類の総排出肛みたいなものかと。そのためomegaは雄であれ雌であれ「子を産み育てる(か弱く優しい)、家庭的な性」と社会的にはみなされており、大事にされているようでいて、実は潜在的な差別・蔑視の対象でもある。
1)一か月~数か月おきに数日間、"heat"と呼ばれる発情期を迎える。発情期(heat)の間は生殖本能が最優先されるために、身近にalphaやbetaが存在した場合は相手が誰であれ無差別にその相手に対して欲情する。そのため特定の相手がいないomegaは、発情期には色々危険すぎて外出できない。(Heatについてはまた別に書きます)
2)その発情期の存在を疎むゆえに、omegaの中には抑制薬(suppressant)を用いて発情を抑える者もいる。抑制薬を使うと、betaと同様に過ごすことができる(もしくは周囲にbetaと偽ることができる)のだが、物語によっては、抑制薬が違法である場合もある。
3)ちなみに抑制薬と避妊薬は別。heatの最中にalpha maleと避妊せずに性交すると高確率で妊娠する。
4)社会的には「家にいて子育てするもの」と思われており、大事にされているようで、同時に差別もされている。とくに職業差別が顕著である。この辺は通常の(日本社会における)性差別をイメージして頂けるとよろしいかも。
5)基本、総受け。

アルファ(Alpha)
人口に占める割合はやや少数。omegaよりは多いがbetaよりはかなり少ない。外見・体力・知性すべてにおいてすぐれているため、社会的には優位種である(とみなされている)。社会的地位や職業的地位の高い者が多い。
性格は往々にして強引で自己中心的、支配的。征服欲・縄張り意識も強い。(そのくせ傷つきやすい)そんな性格ゆえに若干疎まれることもある。
alphaにはomegaのような定期的な発情期はないものの、発情期のomegaに接すると、"rut"と呼ばれる発情状態に陥る。rutに陥ったら相手の人格はどうでもいい(ときには暴力的な)生殖マシーンと化してしまう。かつ、alphaにはomegaと違って抑制薬が存在しないため、中にはomega以上に自分の性を疎む者もいる。
基本、総攻め。(alpha×alphaな作品を別にすれば)

Heatおよびmatingについて
発情期(Heat)に至ったomegaとalphaの性交をmatingと表現する。(イメージとしては犬や狼の生殖行動に似ているかも)
1)発情期が始まると、性交に備えてomegaの体は粘液を作り出すようになる(つまり、濡れる)。
2)alphaの陰茎には根本に"knot"といわれるものがあり、omegaに陰茎を挿入したのちに、omegaの体内で(alphaのオーガズムの直前で)knotが膨脹し、2人の体を固定する。この状態でalphaが射精することによって性交が終わる(かつ、多くの場合、omegaは妊娠する)。
3)omegaが発情している期間数日間にわたってほぼ休みなく性交は繰り返される。
4)ただし、alphaが発情期外のomegaと性交した場合には上記の"knot"は働かないので、妊娠も派生しない。
5)性交の際にalphaがomegaの(もしくは互いの)うなじ(もしくは喉元)にあるscent gland(フェロモンの分泌腺)を噛むことをbond biteと呼ぶ。このbond biteが先述のknotを促すという設定もある。これを行うとフェロモンの性質が変わり、二人が"bonded"した間柄であることが肉体的にも周囲に明らかになる。bondedした相手を"bond mate"と呼び、以降はalphaもomegaも基本的にその相手としか性交しない。(生理的に、bondmate以外とは性交しにくくなる)

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SHERLOCKファンダムでこのOmegaverseにのっとった作品である場合、

「いかにもalphaっぽくて性格は冷たく高慢なのに実はomegaで、heatになったらなすすべもなく身悶えるしかないシャーロック」「そんなシャーロックを優しくうけとめてあげるalphaで男前なジョン」

「抑制剤を使ってomegaであることを隠して軍人かつ医者というキャリアを積んできたジョンがシャーロックに出会ってheatに陥ってしまう」「凡庸で劣ったomegaになど興味ないし、そもそもそんなものはくだらんbiologyだとか言っていたわりに、普通でないomegaのジョンに出会って何かに目覚めるシャーロック

というのが二大パターンだと思われます。とくにファンダム初期のころは、「うっかり抑制薬が切れてしまいheatに悶えるシャーロック(もしくはジョン)のところに、外出していたジョン(もしくはシャーロック)が帰宅してしまい、なにかもうめくるめく展開に」という作品がいくつも生まれていました。Omegaverse=PWP(やまなしおちなし意味なし)といっていいくらいに、ともかくエロ重視の作品が多かったような気がします。

しかし最近ではずいぶんと変わってきました。私が現在、このOmegaverseを個人的に面白いなあと思っている点は以下の理由によります。

1)海外のスラッシュではあまりない「総受け」「総攻め」の概念が当てはまる
2)スラッシュではある程度のリアリティが重視されるのだけども、ここではそのカケラもない超エロい絡みを書くことができる(一回のセックスで男性が何回もオーガズムに達するとか、しかもそれがやたら長時間とか)
3)dubious consent やnon-conが書ける(本人の意思とは無関係にカラダが相手を欲してしまう…というようなナンセンスな設定で書くことができる)
3)好きなキャラクターたちの間に彼らの子どもを作らせてあげることが可能(笑)
4)…という女子のドリームが炸裂しているわりに、「避妊」「(ときには望まない)妊娠」「欲望の対象として貶められる屈辱感」といった女性になじみのある恐怖や不安(語弊あると思いますが申し訳ありません)もリアルに世界観に持ち込まれている
5)同様に、女性が女性であるゆえに男性社会でこうむってきた不利益や差別も描きこまれている

腐女子の妄想のたまもののようでいて、女性がこれまで現実で直面してきた様々な問題や苦難まで物語世界に取り込んでしまうomegaverseの貪欲さや創造性は、社会への問題意識を妄想世界においてすら無視しないという、スラッシュおよびそれらを楽しむ女性たちの基本的な姿勢そのもののような気がするのです。
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そろそろオタクから足を洗おうかと思っていたのに、ウッカリ深みにはまりました。ウッカリしすぎました。嗚呼。

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